『ラースと、その彼女』と『Mr.ウッドコック -史上最悪の体育教師』

もうすぐ公開になる『ラースと、その彼女』。
スカーレット・ヨハンセンのダンナ、ライアン・レイノルズと名前が混同されがちなライアン・ゴズリングが演じる
他人との関わりが上手でない青年ラースと彼を取り巻く町の人々が織り成すハートウォーミングな人間ドラマです。
でもちょっと(かなり?)普通でないお話・・・なぜならラースが恋する相手は等身大のリアル・ドール、ヴィアンカなのだから!!
女性のあそこもしっかり形成されているということは、それってダッチワイフとしてもOK!?(その用途では使いませんが!)
ここだけ聞くと変態男の話かと思うけど、実際は優しいユーモアに溢れた心温まるヒューマン・ドラマに仕上がってる。
人形であるヴィアンカを生身の女の子のように大切に想っているピュアなラースを、
始めは戸惑いながらも次第に少しずつ周りの人たちが受け入れていくことで、町に不思議な一体感が生まれていく様子が絶妙です。
この町の雰囲気は何だろね、善人版の『ウィッカーマン』といったところか、、、
ラースが“いい人”というだけでラースの偏執的な行動を変態視せず、
最終的にはラースと人形の関係を町全体でサポートしてまうところがスゴい。
ある意味カルトだよね〜
でも目に見えるものだけが全てではないということをさりげなく教えてくれます。
私も忘れていた何かが心によみがえり、最後にはうっかり涙腺が熱くなってました・・・。

このファンタスティックな快作の監督はクレイグ・ギレスピー
残念なことにDVDスルーとなっていた『Mr.ウッドコック -史上最悪の体育教師』の監督なのよ!
それで、この『ラース』のユニークな設定とストーリー展開に納得した。
『Mr.ウッドコック』は元アンジェリーナ・ジョリーのダンナでセックス依存症だったビリー・ボブ・ソーントンが主演のコメディ。
全米では初登場第3位、4週連続トップ10にランクインしたスマッシュ・ヒット作。
『ラース』でもキャストでケミストリーを生んでいるけど、『Mr.ウッドコック』もそう。
生徒をイビる鬼体育教師にビリー・ボブ・ソーントンというだけで相当お腹いっぱいなのに、
そのビリーと恋に落ちる女やもめに『ロッキー・ホラー・ショー』から衰えぬ美乳を誇る
現在62歳の艶女、リアル・アデージョスーザン・サランドン
その息子に『アメリカン・パイ』シリーズのショーン・ウィリアム・スコット、
その他、エイミー・ポーラーなど今まさに旬の女芸人まで顔を揃えている。
実はこの『Mr.ウッドコック』の方が『ラース』よりも後の作品。
今回劇場公開となった『ラース』の方が古いのだ。
日本では順序が逆になっちゃたけど、一貫して「心の殻」をやぶって他人と関わることで新しく第一歩を踏み出す過程を、
16年間テレビCM監督として養った独特の世界観で描いております。

Mr.ウッドコック-史上最悪の体育教師- [DVD]

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